地球温暖化問題の再検証 - ポスト京都議定書の交渉にどう臨むか RIETI経済政策レビュー 10
澤 昭裕 /関 総一郎
東洋経済新報社 刊
発売日 2004-01-24
価格:¥3,570(税込)
京都議定書とその後を平易に説明 2005-02-26
2005年2月16日京都議定書が発効した。また、現在は京都議定書(第1約束期間)以降の枠組みについて議論が行われ始めているところである。この点で本書は時機を得たものであり評価できる。本書の内容も京都議定書の交渉過程から経済的な影響、京都議定書以降の枠組みに関する考え方・提案が難しい専門用語を多用せず、比較的平易な表現で示されており、京都議定書発効により新たに地球温暖化問題に関心をもった読者が京都議定書に関する議論にキャッチアップする一助となるであろう。特に、本書の約3分の1を割いて京都議定書以降の枠組み(ポスト京都)に関する議論を行うなど、ポスト京都問題へのアプローチは高く評価できる。
一方、本書では、必ずしも未だ明らかではない議論が断定的になされていたり、経済的な影響に関する分析では分析手法や結論に必ずしも疑問なしとはしないものがある点は留意したい。
また、現在、地球温暖化問題に関する様々な議論が行われており、日本においては環境省と経済産業省のスタンスも違いがある。本書は経済産業省のスタンスに近い見解となっており、必ずしも他の見解や議論にまで踏み込めていない点は残念である。読者に幅広い視点から考える余地を与えるためにも、地球環境問題に関する他のさまざまな議論や、欧米での取り組みについても含め、幅広く取り扱って欲しかった。
今後、京都議定書で定められた温暖化ガス削減目標達成のための政策、また京都議定書以降の枠組みに関する議論がさらに活発化すると思われるが、本書をきっかけとして社会がこうした地球温暖化問題にさらに高い関心を示し、我々世代だけでなく将来の世代を見据えたフレームワーク策定の議論に参加するようになることを期待する。
京都から出発 2004-06-06
デイ・アフター・トゥモローが流行りそうだ。米国の京都議定書脱退を痛烈に批判している映画である。大統領選を左右するかもしれない影響があるとも言われている。京都議定書はこの本に書かれているように、米国だけではなく途上国や産油国も温暖化効果ガスの削減が義務づけられていない欠陥商品である。京都議定書の舞台となった日本は、率先して次の枠組みを世界に提案し、この映画のような災害を人類にもたらさないよう外交努力を始めるべきだ。
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この記事は2006/6/6に作成しました。
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