精神分析入門 下 新潮文庫 フ 7-4
高橋 義孝 /下坂 幸三 /フロイト
新潮社 刊
発売日 1977-01
価格:¥660(税込)
下巻は、上巻を布石に新たなる展開へ 2005-02-21
フロイトが、
なぜ精神分析入門を錯誤行為や夢から語り始めたか、
そのアプローチの理由については上巻でも触れられていたが、
第二十四講「普通の神経質」で全貌が明かされる。フロイトが、「人類」レベルの視点を欠かさなかったこと、
また、精神分析を「科学(当時の)」に位置付けていたことを改めて認識した。
哲学批判、宗教批判をした上で、「科学」を顕揚するとともに、
「科学」に踏み止まる態度を示した。
弟子であったユング、アドラーをチクリと批判しているが、
マルクス主義批判が、今読んでも当たっていることには驚く。上下巻を通じて、素人の私には論理展開が相当込み入っているように感じる。
心というものが、そのような表現でしか表しようがないからなのか、
精神分析がそのような歩みで進んできたからなのか。
フロイトの言う「心的装置」の考えから、こころを何か機械的なモデルとして必死に捉えようとしている、あるいは原因→結果の線を何度も引き直すためにモデル改変に奮闘しているような感じを受け、こころとはちょっと違うんじゃなかろうかと感じた。入門とはいえハイレベルである、あるいはハイレベルな所まで
フロイトが我々を引っ張っていってくれるとも言えようか。
それにしても、フロイトの語り口はユニークで楽しい。
講義の中心部 2003-07-28
フロイトの講義も佳境に入った「神経症」の半ばからこの下巻に収録されている。最近改訳されたので、これを買うときには版に注意が必要だ。 下巻は主にフロイトのメタサイコロジーが語られる部分だと言える。これまでの観察や考察をもとに、フロイトの理論が語られていくのを読むのは、ほかのどんな本を読むことよりもスリリングだと言い切ってもいいだろう。臨床例も豊富に語られるので、それを読むだけでも面白い。 さらにこの巻には、のちにフロイトが書き足した続編も収録されている。これは『講義』出版後にフロイトが見いだしたいくつかの新たな見地や、より幅広い視点からの問題を語ったものである。資料として最も価値があるのは実はこの部分で、とくに女性に関する章は、フロイトが唯一!精神分析における女性の問題についてまとまった形で述べているものとして重要である。フェミニズム運動も、これを批判することに大きな重点を置いてきた。
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この記事は2006/6/6に作成しました。
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