ロシア革命―レーニンからスターリンへ、1917‐1929年
E.H. カー
岩波書店 刊
発売日 2000-02
価格:¥1,155(税込)
社会主義研究の道しるべ 2005-03-19
差し当たり、「弁証法だけがひとり、矛盾によって生きかつ動く進化の過程を再現する」(1)といった立場にはない私であるけれども、ロシア革命直後の経済運営等に関心をもっており、こうした観点で本書はコンパクトだが、客観性に富んだ内容の濃い書物といえよう。
確かに、革命直後の経済運営に関して、例えばマルクスは「(未来社会の-引用者)具体像をどこにも描いていないという文献的事実」(2)が先ず厳存し、さらに「レーニンにとって(略)不幸であったのは、マルクスの経済理論がケインズによって完成される以前に社会主義政府を指導せねばならなかった」(3)という見方もできなくはない。
革命後のソ連邦は、一部の人々を除き、「資本主義市場経済をこえる社会主義の先端モデルを形成」(4)してきたものと信じられてきた。と同時に、その崩壊の端緒も、革命直後の経済運営(政策)の中に既に胚胎していたと思料され得る。
そうしたコンテキストから、「社会主義が依然追求に値する理念であり、現実世界で依然として実現可能なもの」(5)と考える私にとって、本書はいつも持ち歩きのできる貴重な1冊である。
(1)L.トロツキー『ロシア革命史(二)』(山西英一訳、角川文庫)P.3
(2)広松渉『マルクスの根本意想は何であったか』(情況出版)P.15
(3)M.ケイザー『現代ソビエト経済学』(平凡社)P.8
(4)伊藤誠『市場経済と社会主義』(平凡社)P.10
(5)J.ローマー『これからの社会主義』(伊藤誠訳、青木書店)P.13
ロシヤ革命に関する手軽な入門書 2001-11-30
この書を一読することによって、ロシヤ革命のからスターリン体制の成立に至る時期について大まかな輪郭をつかむことができる。初学者は無論、専門家であっても時々読み返すと参考になる良書である。岩波現代文庫には、この種の良書をもっと多く刊行することを望みたい。
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この記事は2006/6/6に作成しました。
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